ボルトにグリスというと・・・

金曜日にショウジに騙され書いた記事で色々と誤字脱字があるなぁと思いつつ放置。

そんな月曜日担当マツヤマです。

塗り物の話をしたあとにこの週末実際に会ったりTwitterとかで言われた事があって、ボルトについてちょっとそれは違うくないっすかね?と思ったことがあったのでがんばって書いてみる。がんばる。






『ボルトにグリスを塗ると締め付けトルクが締まりすぎて破損の原因に』



って、


よく聞きますが。


螺旋のスプリングバックと軸力を安定させるためには必要だと考えてます。

ボルトナットというものは軸力とスプリングバックでとまっているもの。だというのが大前提であり。
締め付けトルクというのはスプリングバックを生む為に必要な力だと考えています。
ボルトの軸と螺旋山が伸びて戻ろうとする力で螺旋は締結されているのです。
んでもって、例えばなにも塗らない状態でボルトとナットを締めこむと螺旋山の摩擦で締め付けトルクが喰われてしまい、トルクレンチ等でトルク管理しながら締めても、軸力が正しく発生する前に(螺旋と軸が伸びる前に)締め付けトルクに達してしまうことがあります。この状態だとキチンと螺旋が引っ張られていないので簡単に振動で緩むのですね。
なのである程度の摩擦は減らしてあげることが必要なんだと考えています。

で、

うちのボルトに関してですが。

グリス塗ってもそんなに締め付けた感覚は変わらないです。

だって、螺旋山がキレイでもともと摩擦係数少ない
  &
転造によって造られた螺旋山は表面高度も高いのですもの。

転造と切削の話でも書いてますが、転造螺旋自体が塑性変形の為滑らかになっていますし、ベータチタニウムで造る螺旋の転造下(転造するまえの旋盤加工した状態)も非常に滑らかな仕上がりにしてあります。これは摩擦という第三者に軸力が”邪魔”されないようにそうしています。

じゃあ結局メーカーの指定の締め付けトルクっていうのはグリスを塗ったものなのか塗ってないものなのかどっちなんだと言われれば、それはケースバイケースですとしか言えず。それは締め付けトルクの検証をどういったケースでしているのかというバックボーンが判明しない限り難しいですね。
なのでベータチタニウムの製品をオートバイとか車用部品として使って頂く際もケースバイケースだと考えております。

けど、それじゃいくらで締めればいいかわからんじゃないかと言われるので下記参照。

基本的には規定締め付けトルクの1.05~1.10倍。
5%以上、10%未満増しでとご説明させて頂いています。

これはTAB6400のボルトが引張強度が980MPaと高く、通常の金属よりは少しですが多めに締め付けトルクをかけてあげたほうがスプリングバックが安定するという経験則から来ているものです。しかしながら最終的には場所や使用用途によってある程度の変化はするのも事実なのです。
安易に締め付けトルクを固定してしまうとそれは脱落等の事故の原因にもなります。

いままでいくつかのボルト脱落や緩みの事故症例を検分してきましたが、脱落については締め付けトルクの低さが原因になっていることが多かったです。ほとんどが締め付けトルクの低さで、その背景には摩擦により規定締め付けトルクが掛かっていなかった、純チタンや材料不明のチタンボルトの印象からチタンのボルトは緩めにというおかしな常識が出来上がってしまっている、ということでした。


正直相手方がマグネシウム系だったり強度の低いアルミ系合金だったりすると相手方の螺旋山が飛ぶことも考えられるので一概には言えないんですけどね。なのでベータチタニウムでは規定締め付けボルトというものを各ボルトに対しては設定しておりません。

もし、これからベータチタニウムのボルトをご購入してみようかと考えられている方は、使うのに不安がある箇所や締め付けトルクをどのくらい設定したらいいのか等、ベータチタニウムに直接お問い合わせくださいませ。
基本的には絶対の数値をお出しすることはありませんが、ボルト製造メーカーとしてお答えに近い内容をご提案させて頂きます。
そして、場合によってはTAB6400のベータチタニウム製品の使用を断念するということもあります。
製品を売るのはもちろんメーカーとして大切ですが、使用用途に適さないのであれば、他の金属をご提案することも当然ボルトメーカーとしてはしなければいけないところだと考えております。



ボルトナットは相手方がいてナンボのもんですから。

一番怖いのはその環境を考えずに締めることだと考えています。

DSC_4802.jpg

例えばリンクやサスペンション取り付けボルト。締め付けトルクを増してしまうと締め付けが抵抗になりサスペンションの動き自体が渋くなってしまうなんて本末転倒ですよね。こういうところには締め付けトルクは逆にある程度少ないほうがいいこともあるんですよ。

で、

締め付けトルクが少ないと脱落の恐れがあるじゃないかといわれるので出したのがグリップロックなんですな。

Ti-GripNut_20120204024354.jpg


色んなところに色んな使われ方をする螺旋。
答えは一つじゃないにしても正解に近いモノを探すのも螺旋屋の仕事だと考えてます。


基本的にはうちのボルトはスプリングバックの効いた感覚っていうのがそれなりにまともな工具を使うと"手に帰ってくる”のでそれはそれで使った方のお楽しみでもありますよ♪


ちょっと話がズレてるという感じもしなくはないですが、そんな日記。

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