ちょっとしたお話

今日お客様からのお問合せであった内容について書いてみます。


「ネジの頭が六角なのは何故ですか?
  プラスとかじゃダメなんですか?」


と、いう御質問をいただきましてそれにお答えしたのですが、折角なので今日の日記で書いてみたいと思います。


さて、通常ネジの頭で皆さんが思い浮かぶのは「プラスネジ」では無いでしょうか?

まずはこの「プラスネジ」というものは比較的近代で使用されるようになった形状でそれ以前は「マイナスネジ」が主流でした。
(プラスネジは20世紀になってから)

ですが、プラスネジマイナスネジより優れた特性を多く持っていたため次第にプラスネジが主流となってきました。



ではプラスネジマイナスネジよりも優れている点をご説明させて頂きます。

それは【ネジが回しやすい】というのがあります。



プラスっていう形はマイナスよりも浅かったり角度を多少変えても回りますよね?

コレはなぜかというと単純にトルクの分散が出来ているからなのです。

マイナスだと工具の接地が2点(基本的に接地は点です)

これがプラスだと4点になります。

2点から4点に変わると何故良いのか?


それは締め付けトルクが2N・mだとしたら接地点が2点のマイナスでは単純に1点あたりに掛かる力が1N・mになります。

これが接地点が4点あるプラスでは1点あたりの掛かる力が0.5N・mになります。

接地点に掛かる力が少ないとネジを回す際に少ない力で回ります。

さらに力が分散されているのでネジをなめにくくもなります。


また、プラスのネジの方がネジの底に水分が溜まりにくい等の利点もあります。

こういった理由から現代ではマイナスではなくプラスの方が利点が多いのでプラスを採用しているのです。


それでは六角の頭の場合はというと分散点を多くとる以外に形状が円に近いので今までの十字型より一層トルクの分散が出来るのです。

また大きなトルクをかける際にプラスネジでは力が逃げてしまうのですが(切り口が斜めの為)内六角では横に円運動するのでトルクの管理がしやすく現代の工業製品では殆ど六角を使用しています。


PICT0038.jpg
(TISC)





更に大きなトルクを掛ける際には外六角のほうが向いています。

これは外形の方がトルクを大きく掛けた際に力の加わりが伝わりやすいからです。
内側の6mm六角よりも外側の10mm外六角の方が円運動が大きく掛けれます。


PICT0015.jpg
(TIHC)


ですのでベータチタニウムでは基本的に六角を採用しています。




さらに言うと今度は12角の方が良いのではないかと言われるのですが、これはよほどのサイズで無い限り今度は一面あたりの強度が低くなる為大きなトルクが掛けれません。
(昔一度だけどーしても12角が欲しいといわれ造りましたが…)


ですので工具を掛ける相手として六角よりも優れた規格としては12ポイントという形状になります。

070919_1735~0002.jpg
(RidingHouse-DUCATI1098用アクスルナット)


この形状だとしっかりと工具の接地面に力を掛けれるのでなめにくく、トルク管理がしやすくなります。




が、Ti-6Al-4Vをこの形状に加工するには大きなコストが掛かってしまう為に量産品ではあまり採用はしていません。




と、ちょっと話が長くなってしまいましたがこんな感じのご説明を個人のお客様にさせていただきました。

ベータチタニウムはネジ屋なのでネジの事で疑問に思ったことや解らない事がありましたら遠慮なく聞いてください。
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